2018年12月16日日曜日

初めてのナイフメイキング その1

2年ほど前から趣味で釣りを始めまして(とはいっても年に数回出かけるくらいですが)、魚の締めや捌きに使う小さめのナイフがほしいなと思ってたんですよね。市販のものを使うのも手軽で良いのですが、折角なので自作してみることに。
刃物の自作と言うとまず鍛造が連想されますが、今では板材から削り出す手法が一般的なようで(ストック&リムーバルって言うらしい)、この手法で作っていくことにします。
塩ビ板でテンプレートを作り、なんとなく握り心地を確認しつつ鋼材に罫書いていきます。


ちなみに、使用鋼材はVG-10という刃物用ステンレス鋼。初めてなので、無難に安いものを選定しました。
外周にポコポコ穴を開けた後金鋸で切り出していきます。
切り出した後大まかに形を整えた状態。右上に映ってるのはハンドルに使う予定のブロックです。カリンに装飾として紫檀を挟んだもので、双方ともに近所のホームセンターで端材として低価格で入手しました。カリン材の強く赤みがかかった茶色、非常にシコい

これで片面削り出せました。案外サクサクと削れるので楽しいです。反対側も同じように削っていくのですが、同じような写真を何度も載せても仕方ないので・・・
刃の削り出しが終わって耐水ペーパー1000番くらいまで致したとこです。なにやらデザインが微妙に変わってますね。刃先の峰側が削ってあるのは、刺突をより効果的にするため・・・という事もありますが、刃は付けないので実際にはただの装飾ですね。面のメリハリというか、もっと境目がピシッと決まるとかっこいいんですけどね。なかなか思い通りにはいかないもんです。
ちなみに、魚を捌く際こちら側は中骨と接することが多くなるので、強度を稼ぐためコンベックスグラインドにしてあります。効果の程は・・・前例を知らないのでまあ悪い方にさえ行かなければいいかなと
ここまでで鋼材の整形が終わったので、いよいよ熱処理をします。つっても業者にポイして終わりなんですけどね。熱処理は八田工業さんにお願いしました。鋼材の種類、硬度指定の有無を示した上で焼入れ依頼の旨が分かるように郵送すると、一本あたり1000円程度で熱処理をして返送してくれます。送料が結構きつかったので今度からは複数本まとめて送ろうと思います・・・
熱処理から帰ってきました。きれいな仕上がりで言うことなしです。八田工業さんでは熱処理後サービスで硬度測定を行ってくれるみたいでした。HRC測定の際にはその原理上小さな窪みがつくのですが、これは真ん中のちっこい穴の脇にありますね。ちなみにこの穴は口金固定用のやつです。
パパっと酸化皮膜を落としたら、ブレード部のみ研磨していきます。
違う向きから見ると完全な鏡面にはなってないのですが、疲れたのでこの辺で妥協します。
これは口金になる予定の真鍮板ですね。
こんな感じでピンを通して接着剤で固定します。このピンを叩き潰してかしめることで完全に固定しますが、夜遅くにドンドコする訳にもいかないので、先にハンドルを接着しておきます。
どうせ後で本体に沿って全部削り落とすので、接着剤はドバドバ塗っていきます。
固まったら、ピンや紐穴用の穴を開けます。ちなみに、左に開いている二段穴には
こういったピン(?)をねじ込んで固定します。ナイフメイキング専門店では、こういったものがシュナイダーボルトと称して売られているのですが、仕組みの割に買うと高いので真鍮棒から削り出し。
穴あけが終わったら、反対側にもハンドルを接着します。
穴あけ前に両面ハンドルを付けると、穴の場所が分からなくなるので注意です・・・硬化後、穴を貫通させてピンを打ち込み、これも同様に接着剤で固定。
 
ハンドルを適当に整形し、口金のピンをかしめます。
金槌だと狭くて上手くいかないので、もう使わないやすりでぶっ叩いて無理やりかしめました。ハンドルつける前にやろう”
かしめピンを削り落とすと、このように口金との境目が分からなくなります。まあ両真鍮材の組成が違ったみたいでよく見ると境目わかるんですけどね。ほんまに間抜けやとおもう
現状ここまでです。次回はハンドルの仕上げと小刃付け、いけたらシース製作まで記事書きます。
おわり

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